化学兵器は、NBC兵器の一角"C"(Chemical)をなす大量破壊兵器のひとつである。一般的には毒ガスとして知られるが、揮発によるものだけではなく、液体が噴霧された霧状の状態を含み、今日の「毒ガス」兵器と呼ばれる物は、常温下に於いて液体(粘度の高いものを含む)の物が多い。マスタードガス(イペリット)やサリンやVXガスなどが著名である。
化学兵器と呼ばれる範囲は時代や条約によって若干異なり、警察の催涙ガスとして現用されるクロロアセトフェノン(CNガス)のように後遺症の恐れは低いものも、化学兵器に含めることがある。化学兵器禁止条約では、2条に化学兵器の提議を置き、このほか特に検証措置の対象とする種類については附属書の表に記載している。日本政府の同条約解釈では、致死率の低いジフェニルシアノアルシンないしジフェニルクロロアルシン(両者の旧日本陸軍呼称「あか剤」)及びCNガス(同じく「みどり剤」)を化学兵器としている。
近代的な化学兵器は第一次世界大戦で登場し、大量に使用された。しかしその後は、禁止条約が発効したことに加え、後述する特性から運用が難しいために実戦使用例は限られている。
初期には有害で人体を蝕む化学反応を起こす物が利用されたが、1930年代後半にはサリンなどに代表される神経性の毒物(神経ガス)が開発された。神経性の毒物は、神経系の信号伝達を不可能にして破壊する事から、少量でも致命傷となり、生存しても予後が悪く運動機能や感覚機能に後遺症が残りやすいとされる。また人体の代謝機能を破壊し、徐々に人体を蝕む薬品もあり、即効性は無いものの致死性のこれら兵器では、予後は極めて悪い。致死率は低くとも重篤な後遺症の危険性があるものもある。
冒頭で述べたように、毒ガスとは称しても常温・常圧では液体や固体の物が多く、霧状や微粉末にして散布したり、砲弾や爆弾に充填して爆発の衝撃で飛散させることによって兵器としての効果を発揮させる。ミサイルやロケット弾の弾頭、さらには地雷や手榴弾に充填させる方法で使用されることもある。常温で塩素などは、ボンベに充てんして戦場に流出させる方法もある。なお、過去には毒ガス以外に刃物に毒物を塗るといった研究もされているが、近代戦での実用例はない。
即効性と遅効性
即効性:殺傷目的(例:サリン、VXガス)
遅効性:環境汚染目的(例:マスタードガス)
即効性のものは主に戦場において敵兵士を即時に殺傷することを目的としている。一般に殺傷能力の点では優れるが、環境中に放たれてから分解されるまでの時間が短く、加害の持続効果はあまりない。神経ガスの多くが該当する。
遅効性のものは、即効性のものより一般に殺傷能力の点では劣るが、環境中での分解に時間がかかるため、長時間散布地域一帯を汚染する効果がある。場合によってはその汚染事実が被害側には容易に判別できないために、汚染の拡大が期待でき、拡大後に効果が生じることになる。戦場であれば比較的後方の補給路や集積地、又は都市部や農地への無差別的な攻撃によって、補給能力、産業経済、政治、医療負担などの多様な方面から継戦能力を減殺する目的で使用される。ただし、第一次世界大戦などでのマスタードガスのように前線利用がされることもある。
超遅効性の化学兵器であれば、接触後、数年から十数年、あるいは数十年経過したのち効果を表す。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
化学兵器は即効性のものと遅効性のものが存在するようです。
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